【歴史】鎌倉仏教について
鎌倉仏教とは何か
鎌倉仏教は、鎌倉時代に登場した日本の新しい仏教スタイルのことを言います。
平安時代以前の仏教と大きく違うのは、仏教が庶民層まで広がって、信者が爆発的に増えた点です。
平安時代までの仏教
仏教を信仰していたのは、主に貴族や皇族などの権力者たち。僧侶たちが権力者と癒着するようになって仏教腐敗が進みました。
庶民に信仰を広げようとする者(行基や空也など)もいましたが、布教活動は限定的なものに終わってしまいます。
鎌倉仏教
庶民や武家などをターゲットにした新興宗派が次々と登場。仏教信仰が全国の庶民層にまで爆発的に広がりました。
人々がお釈迦様の教えを理解できなくなってしまう時代のことを末法と呼び、日本では1052年が末法(まっぽう)のスタートだと考えられていました。
平安仏教の問題を解決するため、南都北嶺の中でさまざまな動きがありましたが、特に動きが大きかったのが、「北嶺」の天台宗でした。
天台宗から独立して新しい宗派を立ち上げる僧侶が続出したのです。こうして登場したのが鎌倉仏教です。
天台宗から独立した6人の人物
• 法然(ほうねん):浄土宗(じょうどしゅう)
• 親鸞(しんらん):浄土真宗(じょうどしんしゅう)
• 栄西(えいさい):臨済宗(りんざいしゅう)
• 道元(どうげん):曹洞宗(そうとうしゅう)
• 日蓮(にちれん):日蓮宗(にちれんしゅう)
• 一遍(いっぺん):時宗(ときむね)
次に鎌倉仏教と呼ばれる6つの宗派とその開祖について簡単に紹介していきます。
浄土宗を開いた法然は、「末法の時代でも、阿弥陀様の力を借りれば浄土に行ける」と考えました。そして、阿弥陀様の力を借りるには、阿弥陀様のことを信じながら「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」とひたすら念仏を唱えれば良いと考えます。念仏を唱えるだけで浄土に行けるなんて、とってもいい情報ですね。情報・・・。おや? 浄土宗の「浄」、法然の「法」。頭文字が、「情報」と同じ音になっていて、記憶に残りやすいですね。
天台宗の僧侶だった親鸞は、浄土宗の教えに惹かれ法然の弟子となりました。法然死後は、浄土宗の教えに親鸞オリジナルの思想をミックスさせた浄土真宗を開きます。
基本は浄土宗と同じですが、親鸞は念仏そのものよりも「阿弥陀様を信じる心」を重んじ、さらにこう考えました。
阿弥陀様は、どんな人でも浄土へ救いあげてくれる偉大な仏様。
だから、煩悩まみれで仏教を信仰する気が全くない人ほど、本来なら阿弥陀様のことを信仰するべきなのだ!! この親鸞の思想のことを、悪人正機(あくにんしょうき)と言います。「悪人」とは、悟りの境地からかけ離れた煩悩まみれの人のことを指します。
この親鸞の理論だと、「仏教に縁のない人ほど、浄土真宗を信ずるべき」ということになります。この理論は、農民や地方武士など仏教に無縁な人々に浄土真宗を布教させる大きな原動力となりました。
天台宗の僧侶だった栄西は、腐敗した天台宗を立て直すため、宋に渡りました。
そして、宋で禅の教えに出会い、帰国後は禅の教えを中心に天台宗を立て直そうとしました。しかし、天台宗は栄西を異端児とみなし、これを弾圧。
そこで栄西は独立し、禅宗の1種である臨済宗を開きました。臨済宗は武家に人気があり、鎌倉幕府の支援も受けながら、着実に信者を増やしていきます。
臨済宗は、師弟関係をとても大事にします。臨済宗では、師が悟りを開くために必要な難問を弟子に提示し、弟子はこれに答えることで悟りへの道を切り開きます。
この師匠と弟子の問答は、座禅をして心を無にした状態で行われ、この問答のことを考案問答(こうあんもんとう)と言います。
仏教を極めたい道元は、比叡山の修行では物足りず、栄西が開いた建仁寺というお寺で禅マスターになることを決意。宋に渡って禅を学び、禅宗の1種である曹洞宗を開きます。
曹洞宗は、日々の行いそのものが修行であり、悟りを開くためのヒントだと考えます。臨済宗と同じく座禅を重要視しましたが、曹洞宗の場合は、「座禅をして〜〜する」ではなく、「座禅する行為そのもの」が悟りを開くために重要だと考えました。
道元は自らの思想を「正法眼蔵(じょうぼうげんぞう)」という著書にまとめています。
日蓮は日々の勉学・修行の中で、天台宗で最も重要な経典である「法華経(ほっけきょう)」こそが最強だと考えました。法華経の教えさえ信じれば、そのほかの修行は一切不要。悟りを開くために必要なのは、法華経の教えを信じて「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と口に出して唱えることのみ。
一遍も、法然・親鸞と同じく「阿弥陀様を信じて念仏を唱えれば浄土に行ける」と考えました。
しかし、世の中には仏教や念仏に興味のない人がたくさんいます。
そこで一遍は考えます。「みんなが念仏を唱えるようになるには、どうすれば良いか?」
そして、一遍はある結論に辿り着きました。
一遍「そうだ!踊っている最中に念仏を唱えれば、お祭りみたいでみんな参加してくれるんじゃないか!?」
こうして、一遍は時宗を開きました。同じ念仏でも浄土宗・浄土真宗と違って、踊りながら念仏を唱える踊念仏(おどりねんぶつ)が大きな特徴です。
「念仏こそがすベて!」と考えた一遍は、亡くなる前に著書を焼いてしまったため、一遍の著書は残っていません。
さて、鎌倉仏教の説明はここまでですが、みなさんどうでしたか?
浄土宗が法然なのは、「情報」と音が被っているからお覚えやすいけど・・・。あと、日蓮宗は日蓮だからそのままでOKだけど、他は混乱するなぁって思っていませんか?
ご安心ください。実は他の宗派は開祖と韻を踏んでいるのです。
浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)の「真(しん)」と親鸞(しんらん)の「親(しん)」
臨済宗(りんざいしゅう)の「済(ざい)」と栄西(えいさい)の「西(さい)」
曹洞宗(そうとうしゅう)の「洞(とう)」と道元の「道(みち)」
どうですか? これらの韻は他と被っていません。「韻だけわかっても書けないよ」って思っていますか? それもご安心を。神奈川県の社会の高校入試問題は記述問題がありません。選択問題なので結び付けられればOKです!
おっと、一遍(いっぺん)の時宗(じしゅう)を忘れていました。みなさん、給食の後はお腹一杯になって眠くなりませんか? 午後の授業に入る前に眠気を吹き飛ばすためにダンスでもしてください!
「一時に踊れ!」 一遍、時宗、踊念仏を思い出しながらね!

